そのまま手をつないで、ウロウロし、いや、ウロウロし過ぎて疲れてしまい、手っ取り早くチェーン店の牛丼屋に入ったのだから笑うしかない。

 ムードもへったくれもないが、コスパだけは最高なのは間違いない。

 牛丼を食べながら、お互いのクリスマスプレゼントを探そうという話になったものの、気づけばカラオケルームに入ってしまい、最初こそお互い熱唱していたものの、それにも飽き、引っ付いたり、チューをしたりして過ごした。

 夕方になり、彼がスマホで時間を確認する。

「もうレストランに行かないと」

 乱れたメイクを化粧室で直し、クリスマスプレゼントはお預けにして、私たちはレストランに向かって歩き出した。

 カラオケボックスから歩くこと15分。レストランは思った以上に瀟洒な建物で、立ちすくんでしまったくらいだ。

「もしかしてドレスコードに引っかかる?」

 彼の好みに合わせた綺麗可愛いコーデだが、レストランの構えを見ると、どうしても釣り合わない。

「多分、大丈夫だと思うけど……」