「どうしたの? 凄かったじゃん」
「いお、全部、自分から話してたじゃん」
「そう?」
「共通点が多いって言われて、そうなんですって即答したら大抵は名前か誕生日か血液型だと思うよ。少し控えめな反応だったら趣味とか無難なことを僕だったら言う」

 共感が持てなければ付き合うことはない。趣味が一緒、価値観が一緒。カップルである以上は最低でも1つくらいは共通点があるというのが彼の分析。

「仕事場で知り合ったって言ったのは、多分、共通の趣味で知り合った感じがしなかったからだと思う。だから仕事で知り合ったって言った。あとは僕たちの付き合いの長さを2人の様子から想像して、年齢を考慮に入れれば、バイト先で知り合う可能性が高くなる」

 理責めされ、少しムッとしてしまった。当たるも八卦、当たらぬも八卦と言ったのは彼の方なのに、そんなに穿った見方をしていたら、占ってもらうこと自体、意味をなさなくなる。

「いっくん嫌い」

 先に行こうとしたら手をつかまれた。

「ごめんごめん」

 彼に頭を撫でられると、すぐに機嫌を直してしまうあたり、私は本当に単純だ。