私は被害者なのだ。いや、私だけじゃない。父も母も――家族3人、何一つ悪いことなんてしていない。

 なのに、どうしてこんな仕打ちを受けなければならないのか。
 
 別にいたわって欲しいだなんて思わない。同情なんてまっぴらごめんだ。ただソッとしておいて欲しい。誰にも干渉されない、誰かによって生活を脅《おびや》かされることのない、そんな安寧の日々をただ過ごしたいだけ。

 そんな時だ――郵便物を確認しようとポストを開けた時、あのチラシを見つけたのは。