色々とレクチャーやアドバイスをしてくれたので、次の日に美来に彼との交際が始まったことを報告すると、よくやったと美来にも抱きしめられた。

 それを機に、美来との距離が一気に縮み、気づけば美来のグループの一員になっていた。

 それも隣にはいつも美来がいてくれる特別待遇だ。とうやら高校1年ながらに大学生と付き合っているというのは、女子の中ではなかなかのステータスらしい。

 美来のグループは彼氏持ちの基本的に可愛い子ばかりで、会話の内容も、アニメとかドラマとか好きな芸能人とか、そんな趣味の話題より、恋愛関係、ことさら彼氏との仲の進展具合の話題が多い。

 高校生になったこともあり、異性との体の関係の話題が口上に上ることがチラホラある。手を繋いだ。キスをした。早い子になると彼氏と関係を持ったという子まで。

 こうして大人に近づいているんだと理解し、同時に大人になりきれていない私自身に少し落ち込んだりもした。

 それでもクラスでの立ち位置が変われば、当然、景色も変わる。今では、空気のように誰にも認識されない存在を意識してきたのに、今は違う。

 時々、羨望の眼差しを向けられることがある。

 どんな彼氏なの? 写真見せてよ。そうせがまれ、渋々といった体で、保存してある私とのツーショット写真を見せる。

 かっこいい!! イケメンだね!!