「可愛い可愛い。何か新鮮だな。いつも制服だし」
「週末は制服じゃありませんよーだ」

 ベーッと舌を出す。

「制服じゃなくても、基本、ジーンズにシャツでしょ? 考えるのが面倒なんだろうけど、柄違いをローテーションしてるし」
「……バレてるし。まぁ、バイトに行くだけだからね」

 それにバイトが終わったら、帰って寝るだけだし。後半は私の心の中の言い訳だ。

 彼の視線が私の顔に移り、あれ? と目を見開いた。

「もしかして……メイクしてる?」
「少しだけ。これでも一生懸命頑張ったのに、全然可愛くならなかった」

 軽く泣き真似。以前は絶対にこんな行動取れなかった。最近、私自身あざとくなったなとまざまざと感じる。

 彼はまだジッと私を見ていた。今度は本当に恥ずかしくなって、顔を背けた。