「事故の慰謝料も入ったし、両親の生命保険もおりたから、実はそこまでお金には困ってないんだ」
だから毎日のようにバイトは入れていないんだと彼は言う。
学費は両親の遺してくれたお金がある。しかし、額面が目減りしていくのはやはり不安だ。将来何があるか分からない。一円でも多く残したい。
理に適っている。適ってはいるが、何となくけち臭い。
それでも途中コンビニに寄って、アイスを食べた。なんのことはない。どこでも見かけるカップアイスだ。自分の分くらいお金を出そうかと財布を取り出したものの、彼がおごってくれた。
はケチではなく倹約家なんだということにしておく。
家まで自転車で5分程度の場所。そこが彼と私の帰路の分岐点だった。
交差点の角には建築屋の社屋が建っていて、もう誰もいないのか電気はついていない。見渡してもあとは個人宅。
見える範囲に店らしいものはないから、寄っていこうか、なんて言えない。何とも名残惜しい。そんな気持ち。
だから毎日のようにバイトは入れていないんだと彼は言う。
学費は両親の遺してくれたお金がある。しかし、額面が目減りしていくのはやはり不安だ。将来何があるか分からない。一円でも多く残したい。
理に適っている。適ってはいるが、何となくけち臭い。
それでも途中コンビニに寄って、アイスを食べた。なんのことはない。どこでも見かけるカップアイスだ。自分の分くらいお金を出そうかと財布を取り出したものの、彼がおごってくれた。
はケチではなく倹約家なんだということにしておく。
家まで自転車で5分程度の場所。そこが彼と私の帰路の分岐点だった。
交差点の角には建築屋の社屋が建っていて、もう誰もいないのか電気はついていない。見渡してもあとは個人宅。
見える範囲に店らしいものはないから、寄っていこうか、なんて言えない。何とも名残惜しい。そんな気持ち。