どうしていつもこうなんだろう。
僕っていう男は。
いつだって君を困らせて悲しませてしまう。
こんなはずじゃなかった。
いつだっていつだって一生懸命やっているのに。
君をしあわせにしたかったんだ。
僕がしあわせにしてあげたかったんだ。
君にいつも笑っていてほしかったんだ。
愛のある家庭が欲しい、ふたりで穏やかに暮らせればいい。
君がそう言ってくれたから、僕を受け入れてくれたから、指輪も挙式も何もない結婚だったけど、紙切れ一枚で君が僕の妻になってくれたことが僕にはとてもとても嬉しかったんだ。
君がしあわせだよって微笑んでくれたから、僕はもう何だってできると思ったんだ。
たくさんたくさん働いてたくさんお金をもらって、君をもっともっとしあわせにしてあげたかったんだ。
だから頑張った。
頑張ったんだ。
一生懸命。
だけど駄目だった。
僕が働けなくなって、お金に困って、君は体が弱いのに外で働き始めたね。
僕を食べさせるために君が命を削って働いてくれたんだ。
愛があるからいいんだよ、ふたりでいられるからいいんだよ。
そう微笑む君が愛しくて、やりきれなくて、僕はどうしていいかわからなくて。
笑ってくれればいいんだよ。
君がそう言ってくれたから、馬鹿みたいにへらへら笑ってばかりいて。
でもね、そんな僕を君が愛してくれるから、やっぱり僕はしあわせだったんだ。
赦されないくらいにしあわせだったんだ。
無理が祟って君が倒れてしまったときにも、自分を責めはしても僕はやっぱりしあわせだった。
君がいてさえくれるなら、僕はしあわせだったんだ。
それなのに。
僕という男は。
そんな時にさえ、どうして間違えてしまったのだろう。
やせ細って弱っていく君を見ているのが辛かったんだ。
少しずつ死のヴェールに包まれて儚くなっていく君は浄化されていくように僕なんかの手が触れて良いものではないようで。
手の届かないひとであるようで。
ちっぽけな僕は見ているのさえ辛かった。
だから離れてしまった。
ずっとふたりでいようね、そうやって握ったはずの手を放してしまった。
バカだよね。
どうしていつもこうなんだろう。
思い返して、それでも君の顔を見たくて。
戻った時には遅かった。
君は旅立ってしまった後だった。
あんなにあんなに僕を愛して、僕を支えてくれた人を。
たったひとりで逝かせてしまった。
どうしていつもこうなんだろう。
僕っていう男は。
物言わぬ遺体となった君に謝ってもどうにもならない。
だけどわかるんだ。
君はきっと赦してくれる。
愛しているからいいんだよ、あなたはそのままでいいんだよ。
そう言って、微笑んでくれる。
ねえ、どうして僕はこうなんだろう。
君がいなくなってしまったら、もう生き方さえ分からない。
君の上に重なって一緒に焼かれてしまいたい。
でもきっと君は笑って言うんだ。
ダメだよ、あなたは生きてくれなくちゃ。
そうだよね、君のいない地獄で生きることが僕の償いなんだ。
ねえ、僕はよく君のこと分かってるでしょう?
あたりまえだよ。
愛しているんだから。
それだけは永遠なんだ。
僕っていう男は。
いつだって君を困らせて悲しませてしまう。
こんなはずじゃなかった。
いつだっていつだって一生懸命やっているのに。
君をしあわせにしたかったんだ。
僕がしあわせにしてあげたかったんだ。
君にいつも笑っていてほしかったんだ。
愛のある家庭が欲しい、ふたりで穏やかに暮らせればいい。
君がそう言ってくれたから、僕を受け入れてくれたから、指輪も挙式も何もない結婚だったけど、紙切れ一枚で君が僕の妻になってくれたことが僕にはとてもとても嬉しかったんだ。
君がしあわせだよって微笑んでくれたから、僕はもう何だってできると思ったんだ。
たくさんたくさん働いてたくさんお金をもらって、君をもっともっとしあわせにしてあげたかったんだ。
だから頑張った。
頑張ったんだ。
一生懸命。
だけど駄目だった。
僕が働けなくなって、お金に困って、君は体が弱いのに外で働き始めたね。
僕を食べさせるために君が命を削って働いてくれたんだ。
愛があるからいいんだよ、ふたりでいられるからいいんだよ。
そう微笑む君が愛しくて、やりきれなくて、僕はどうしていいかわからなくて。
笑ってくれればいいんだよ。
君がそう言ってくれたから、馬鹿みたいにへらへら笑ってばかりいて。
でもね、そんな僕を君が愛してくれるから、やっぱり僕はしあわせだったんだ。
赦されないくらいにしあわせだったんだ。
無理が祟って君が倒れてしまったときにも、自分を責めはしても僕はやっぱりしあわせだった。
君がいてさえくれるなら、僕はしあわせだったんだ。
それなのに。
僕という男は。
そんな時にさえ、どうして間違えてしまったのだろう。
やせ細って弱っていく君を見ているのが辛かったんだ。
少しずつ死のヴェールに包まれて儚くなっていく君は浄化されていくように僕なんかの手が触れて良いものではないようで。
手の届かないひとであるようで。
ちっぽけな僕は見ているのさえ辛かった。
だから離れてしまった。
ずっとふたりでいようね、そうやって握ったはずの手を放してしまった。
バカだよね。
どうしていつもこうなんだろう。
思い返して、それでも君の顔を見たくて。
戻った時には遅かった。
君は旅立ってしまった後だった。
あんなにあんなに僕を愛して、僕を支えてくれた人を。
たったひとりで逝かせてしまった。
どうしていつもこうなんだろう。
僕っていう男は。
物言わぬ遺体となった君に謝ってもどうにもならない。
だけどわかるんだ。
君はきっと赦してくれる。
愛しているからいいんだよ、あなたはそのままでいいんだよ。
そう言って、微笑んでくれる。
ねえ、どうして僕はこうなんだろう。
君がいなくなってしまったら、もう生き方さえ分からない。
君の上に重なって一緒に焼かれてしまいたい。
でもきっと君は笑って言うんだ。
ダメだよ、あなたは生きてくれなくちゃ。
そうだよね、君のいない地獄で生きることが僕の償いなんだ。
ねえ、僕はよく君のこと分かってるでしょう?
あたりまえだよ。
愛しているんだから。
それだけは永遠なんだ。