それは酷く耽美で、僅かに息苦しい。
 とても既視感を覚えたものだけれど、それを見たのは初めてだった。



 高校に入る前の部活見学で、たまたま空いてしまった時間に、たまたま来ただけの体育館。

 運動系に進もうなんて思わなかったけれど、なんとなくそこに入ってみれば、舞台の上では数人の男女が立っていて、パンフレットを見れば今の時間は演劇部の時間らしい。



 息抜きに来ただけのほんの僅かな時間。終盤だったと言うのもあって、数分もすれば終わってしまったけれど、その数分で、私は魅せられてしまったのだった。