「とりあえず食べて」

そっけなく言う和宏。涙目の結菜。うらやましそうにポテトを見つめる久保田。

「どうしたのさ。みんなで食べようよ」

そう言う私に、

「そやな」

久保田がすかさずポテトに手を伸ばし、和宏にピシャリと叩かれている。

「いいから食えよ。話はそれから」

しょうがなくポテトを口に運ぶと、塩気がいつも以上に強く感じた。コーラーで流しこむと、空腹だったことに今さら気づいた。

「沙希のこと、大変だったな」

和宏が久保田にハンバーガーを渡してぽつりと言う。さみし気な口調に、また胸がチクチクする。

「……なんだかまだ信じられないよ」

結菜が涙目で私を見た。

「芽衣、すごくつらかったよね……」

「うん……」

意識しないと小声になってしまうほどまだ打ちのめされている。

「でも、やっと少し自分を取り戻せた気分なの。さっき、ネットのニュースもようやく見られたんだ……」

「そうか。よくがんばったな」

やけにやさしい口調の和宏にひとつうなずいてから、私は聞きたかったことを尋ねた。