ふいにスマホがメールを知らせるチャイム音を鳴らした。
和宏からだった。

『これからみんなでトムトムバーガーに行くけど来る?』

短いメールを見て、閉じて、また開く。
トムトムバーガーは駅前にあるファーストフード店だ。
ひとりで悩むよりも和宏たちに話を聞いてみたいと思えたのが不思議だった。

『わかった。行くね』

同じように短い返信をしてからシャワーを浴びで着替えた。
鏡に映すと泣きはらした顔がひどいありさまだったけれど、とにかく支度をして家を出ることに集中した。
駅前ではテレビカメラを持った人たちがインタビューをしていたので急ぎ足で通り過ぎた。
トムトムバーガーにつくと、奥の席に和宏と結菜、久保田がいた。

「遅れてごめん」

そう言って座ると同時に、いくつものハンバーガーと山盛りのポテトがずいと目の前に差し出された。すごい量だ。