今週いっぱいまで休校になった。
起きることができずベッドで横になっていると、ひっきりなしに友達からの着信が相次いだ。
電話に出る力が出ないまま、メールの内容だけは読んだ。

朝のニュースで沙希の事件は報道されたそうだ。

詳しい内容が本文に書かれていたけれど、反射的に画面を消していた。
夜になると母と直樹も事件を耳にしたらしく、帰ってくるなり色々と尋ねてきた。
私が話したくないのを知ると、それ以上は尋ねてこなかった。
温かい料理や飲み物を食べると、なんだかまた泣きたくなった。

部屋に閉じこもり、寝たのか寝ていないのかわかないまま土日は終わってしまう。
和宏や結菜も心配して何度も電話をくれたけれど、どうしても出ることができなかった。
「大丈夫」とメールで返すのがやっとで、息をするたびに沙希のことを考えてしまった。

やわらかく笑う声やたまに強がる口調を思い出すたびに、どんなに泣いても涙は止まらなかった。