ドアを開けると、直樹が台所から顔を覗かせた。
「お帰り。今日も遅かったな」
「ちょっとね。あ、今日はご飯いらないや」
元気な声でそう言いながら靴を脱ぐ。
「なんで? ダイエット中とか?」
「友達とカラオケ行って食べてきたから。もうヘトヘトだし寝るね」
そんな気分じゃないのに、私はヘラッと笑っていた。直樹は少し黙ってから軽くうなずいてくれた。
水筒を洗おうとすると、
「やっておくから寝てこい」
と言われ、素直に階段をのぼった。
部屋に戻ると制服を脱いでジャージに着替える。
スマホを見ると、和宏から不在着信が二回入っていた。
SNSメッセージには結菜からも。
電源を切ると、私はベッドにもぐりこむ。
毛布を頭からかぶって視界が暗くなる。
ようやくひとりの時間になれた。
――そうしてから、私は思いっきり泣いた。
「お帰り。今日も遅かったな」
「ちょっとね。あ、今日はご飯いらないや」
元気な声でそう言いながら靴を脱ぐ。
「なんで? ダイエット中とか?」
「友達とカラオケ行って食べてきたから。もうヘトヘトだし寝るね」
そんな気分じゃないのに、私はヘラッと笑っていた。直樹は少し黙ってから軽くうなずいてくれた。
水筒を洗おうとすると、
「やっておくから寝てこい」
と言われ、素直に階段をのぼった。
部屋に戻ると制服を脱いでジャージに着替える。
スマホを見ると、和宏から不在着信が二回入っていた。
SNSメッセージには結菜からも。
電源を切ると、私はベッドにもぐりこむ。
毛布を頭からかぶって視界が暗くなる。
ようやくひとりの時間になれた。
――そうしてから、私は思いっきり泣いた。