和宏も同じ町内に住んではいるそうだけれど、中学は別の私立に通っていたらしい。つまり私と同じ、高校からこの学校に通っているわけだ。
それなのに、はじめて会ったときから幼なじみのような感覚を持ったのは不思議だった。
きっとこれが俗に言う『気が合う』ってやつだろう。
毎朝、始業時間まで私たちは漫才のような掛け合いをするのが恒例。
「よ、和宏」
いつものように声をかけると、和宏はモゴモゴなにか答えている。
今朝はいつにもましてなんだか眠そうだ。
「なによ、元気ないじゃない」
「いや、別に。ちょっと具合が悪いんだよ」
「風邪でも引いたの」
「うるせー。冗談だよ、冗談」
ようやく少し笑みを浮かべた和宏が校門に入って行った。
昇降口へ向かう背中がなんだか疲れて見える。
本当に具合が悪いのかも……。
「って、なんで私が気にしなくちゃいけないのよ」
ひとり言をつぶやいて私もまた歩き出す。
それなのに、はじめて会ったときから幼なじみのような感覚を持ったのは不思議だった。
きっとこれが俗に言う『気が合う』ってやつだろう。
毎朝、始業時間まで私たちは漫才のような掛け合いをするのが恒例。
「よ、和宏」
いつものように声をかけると、和宏はモゴモゴなにか答えている。
今朝はいつにもましてなんだか眠そうだ。
「なによ、元気ないじゃない」
「いや、別に。ちょっと具合が悪いんだよ」
「風邪でも引いたの」
「うるせー。冗談だよ、冗談」
ようやく少し笑みを浮かべた和宏が校門に入って行った。
昇降口へ向かう背中がなんだか疲れて見える。
本当に具合が悪いのかも……。
「って、なんで私が気にしなくちゃいけないのよ」
ひとり言をつぶやいて私もまた歩き出す。