柊の逮捕によって、事態は急を要した。

彼は警察で黙秘を続けているらしいが、俺の名前を出すのも時間の問題だろう。

もちろん、柊と示し合わせたことは一度もない。

だが、お互いの決意は暗黙のうちにわかっていたはずだ。

柊はたぶん、本当の犯人が俺であると知っているだろう。


自分の作ったサイトに裏BBSが作られていることを知った柊は、見た目にも激しく衰弱していた。

俺を見る目も、悲しみであふれていた。

井口に偽の赤い手紙を送って注意喚起をしたことも知っている。

あの夜に俺たちを尾行していたことも。