「知ってるもなにも、今インストールしたところだよ。沙希もくぼっさんに聞いたの?」
「……ああ、まあね」
濁すような言いかたがなんだか沙希らしくない。
スマホを耳元に寄せて、
「大丈夫? なにかあったの?」
と尋ねると、沙希は軽く笑った。
「そういうわけじゃないよ。あの、さ……そのアプリにさMOVERってメニューがあるんだけどね」
「ムーバー、って英語? それって外国の人の名前かなにかなの?」
「動画掲示板のことだよ。みんなが自分で動画を撮ってそのページに載せられるんだって」
「それって怪しくない? 十八歳未満お断りってやつじゃないの?」
冗談めかせる私にも沙希は「まさか」と小声で言った。
やはり、沙希の声にいつもの勢いはない。
やっぱりなにかあったのだろうか……。黙る私に沙希がスッと息を吸う音が聞こえた。
「そのMOVERのメニューにさ……。なんていうか、赤い画面がね……」
「赤い画面?」
「そう。濃い赤色でさ……。とにかく悪趣味なんだよ」
さっき見たときはログインできなかったからまだ見られてないのだろう。
「……ああ、まあね」
濁すような言いかたがなんだか沙希らしくない。
スマホを耳元に寄せて、
「大丈夫? なにかあったの?」
と尋ねると、沙希は軽く笑った。
「そういうわけじゃないよ。あの、さ……そのアプリにさMOVERってメニューがあるんだけどね」
「ムーバー、って英語? それって外国の人の名前かなにかなの?」
「動画掲示板のことだよ。みんなが自分で動画を撮ってそのページに載せられるんだって」
「それって怪しくない? 十八歳未満お断りってやつじゃないの?」
冗談めかせる私にも沙希は「まさか」と小声で言った。
やはり、沙希の声にいつもの勢いはない。
やっぱりなにかあったのだろうか……。黙る私に沙希がスッと息を吸う音が聞こえた。
「そのMOVERのメニューにさ……。なんていうか、赤い画面がね……」
「赤い画面?」
「そう。濃い赤色でさ……。とにかく悪趣味なんだよ」
さっき見たときはログインできなかったからまだ見られてないのだろう。