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14.投稿者:執行人

藤本昌代の刑を執行した。
藤本は青果担当だから、勤務中に何度も青果の倉庫にくるのも知っていた。
もちろん監視カメラがないことも。
倉庫の端で私は機会を待った。
十八時すぎ、ようやく大きなダンボールをかかえてヤツは入ってきた。
奥のほうで、こちらに背を向けて作業をしている。

「看護師さん」

そう声をかけると、藤本は驚いたように顔だけをこちらに向けた。
看護師なんて呼ばれて、さぞかし驚いただろう。
間髪をいれずに、ナイフで心臓付近を背中から刺した。
思ったより血はでなかった。
叫び声を出すこともなくその場にくずおれる藤本に、本当は自分の犯した罪を聞かせてやりたかった。
だが、あっけなく藤本は死んだ。
小走りで、倉庫から裏口に出る。
大丈夫、誰にも見られていなかったはず。
これでいい。またひとつ、刑が執行されたのだ。

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