「実は……な、殺害時刻より前、誰かにあとをつけられたって言ってただろう。そのときの防犯カメラは見つけたんだ」

「えっ!?」

驚く私に、鈴木刑事は咳払いをした。

「たしかに有川と友達のふたりをつけている人影は映っていた。だが、暗くて誰なのかまではわからなかった」

「今、鼻の頭をかいてるでしょう? 絶対ウソだよね!?」

スマホを握りしめて問い詰めると、

「うるさい。大きな声出すな」

と冷たい答えが返ってきた。
あの日の夜の感覚がよみがえるようで背筋がゾクゾクする。

「だってその人が犯人なんだよ。裏BBSに書いてあったじゃん」

「誰なのかはわからないって言ってるだろう。暗かったし、映っているのは一瞬だったんだよ。また詳しく調べるから。じゃあな」

切りあげ口調でそう言うと、鈴木刑事は一方的に電話を切ってしまった。急に力が抜けてしまいベッドに仰向けになった。まぶしい蛍光灯の光に目を細め、またため息。