期末テストの最終日は半日で学校が終わった。
放課後と呼ぶには早すぎる教室は、みんなテスト期間が終わったうれしさでいつもより騒がしかった。
あれから結菜とはたまに話をする程度。ぎこちなく笑い、短い会話を一日に数回交わす程度だった。さっきも、さよならも言わず帰ってしまった。
恋をしたことで近づいたり離れたり……。こんな切ないものなのかな。

「帰るんだろ?」

荷物をまとめながら尋ねる和宏に、

「あ、うん」

と私もカバンを机の上に置く。

「看護師の藤本さんと、元看護師の今田さんの両方を見守っているだけで進展はないみたい」

「そうなんだ」

「裏BBSも更新されてないし、なんだか怖いよね……」

そう言う私に、

「そっか。あ、部活行かなきゃ」

と和宏はカバンを手にさっさと教室から出て行ってしまった。