吐き気がこみあげる。
気づかれないように小走りで部屋に逃げ帰ると洗面所でもどした。
食事もとれていないから、出るのは胃液だけだった。
それでも吐きつづけた。
涙があふれてとまらない。

藤本さんはあんなふうにわたしのことを思っていたんだ。
あの人だけは信用していた。
いつでも気さくに話してくれて、友達みたいに思っていたのに。

もう、ここにいる誰もが信用できない。