「今はまだ許せないし、応援することもできない。明日からはうまく話もできないと思う」

「結菜……」

「でも、気持ちが固まったときにはちゃんと和宏くんに告白してほしい。そうじゃなかったら、いつまでたっても私の片想いは続くことになるんだよ」

「ごめんなさい……」

もう私は泣いていた。結菜の言う通りだと思う。私はただ自分のためだけに約束を守ったんだと情けなくなった。

「いつか……許せる日がくると思う。それまでは、ごめん」

うつむく私に結菜の去っていく足音が聞こえる。

ひとり残された公園で、私は果てしない自己嫌悪に涙を流した。

――やがて来る最大の悲劇を知ることもなく。