少し疲れているくらいで、柊先生はカッコいいまま。変わったのは私のほうだと思う。
結菜と約束して以来、なるべく和宏のことは考えないようにしてきた。
今も、舞い降りる雪を彼と一緒に見たいと思うそばから、気持ちを押しとどめている。

でも、もう限界かもしれない。
私の日常に、いつも和宏の存在はある。
それは会っている時よりも、会えない時間に強く感じている。

「和宏に会いたい」

つぶやけば、雪は激しさを増したように思えた。
結菜は許してくれるかな、こんな私を……。