家に帰ると直樹がいつものように夕飯を作っていた。
野菜をすこんすこんと切る音と、スマホから直樹の好きな音楽が流れている。ずいぶん前に流行った歌なのに、直樹は飽きもせずに鼻歌まじり。
「お母さん、夜勤だっけ?」
「忘年会らしいよ。張り切って出かけていった」
「ふうん」
冷蔵庫から牛乳を取り出すだけでブルリと震えるほど最近は寒い。
マグカップに牛乳を注いでレンジに入れた。時間設定のダイヤルを回してスイッチをONにする。
「芽衣に聞きたいことがあるんだ」
直樹が唐突にそう言った。
ジュワ。
切った材料を熱したフライパンに入れた直樹は木べらで手早く炒めている。
「聞きたいこと?」
「この間、パトカーに乗ったりした?」
ギクッと固まる私を見て、直樹は悟ったらしい。大きなため息をついている。
「な、なんで知ってるの?」
「友達から動画サイトのアドレス送られてきてさ、『これ、芽衣ちゃんじゃね?』って」
「ウソ! 出回ってるの!?」
チン。
場に似合わない軽い音でホットミルクが出来あがった。このまま二階へ逃げようとする私に、直樹はあごで台所のテーブルを指した。
「そこで飲んで行きなさい。その間に、これまでのことを報告すること」
「げ……最悪」
野菜をすこんすこんと切る音と、スマホから直樹の好きな音楽が流れている。ずいぶん前に流行った歌なのに、直樹は飽きもせずに鼻歌まじり。
「お母さん、夜勤だっけ?」
「忘年会らしいよ。張り切って出かけていった」
「ふうん」
冷蔵庫から牛乳を取り出すだけでブルリと震えるほど最近は寒い。
マグカップに牛乳を注いでレンジに入れた。時間設定のダイヤルを回してスイッチをONにする。
「芽衣に聞きたいことがあるんだ」
直樹が唐突にそう言った。
ジュワ。
切った材料を熱したフライパンに入れた直樹は木べらで手早く炒めている。
「聞きたいこと?」
「この間、パトカーに乗ったりした?」
ギクッと固まる私を見て、直樹は悟ったらしい。大きなため息をついている。
「な、なんで知ってるの?」
「友達から動画サイトのアドレス送られてきてさ、『これ、芽衣ちゃんじゃね?』って」
「ウソ! 出回ってるの!?」
チン。
場に似合わない軽い音でホットミルクが出来あがった。このまま二階へ逃げようとする私に、直樹はあごで台所のテーブルを指した。
「そこで飲んで行きなさい。その間に、これまでのことを報告すること」
「げ……最悪」