「もちろん行動はしないつもり。でも、警察は藤本昌代さんを見つけられないんでしょう?」

「いや、一応目星はつけている」

「看護師さんなの?」

驚いて尋ねるが、鈴木刑事は長いスプーンを加えたまま肩をすくめた。

「まあそうなんだが……。ここから先は秘密事項だ」

「そこまで言っておいてひどい」

パフェをあっという間にたいらげた久保田がようやく落ち着いた様子で私たちを見た。

「藤本昌代を保護さえしてくれてれば安心やな。犯人がそのままあきらめてくれればええけどな」

「それが……。藤本昌代の保護はしていない」

「え、なんでや」

「見張りはつけているから安心しなさい」

不満げな私たちを無視して、鈴木刑事はフライドポテトを追加注文した。本当によく食べる人だ。
それだけ刑事は体力を使うものなのだろう。なんだか前に会った時よりも太った気さえしてくる。