「知りません。やめてください。人を呼びますよ」
「やめないわよ。ふたつの事件がつながっていることに気づいているのはまだうちの局だけなの。いいから話しなさい」
「おい、まずいぞ」
カメラマンの男性が言うが、
「うるさいわね」
と女性リポーターは取り合わない。スクープされるのはごめんだけれど、気持ちとは裏腹に涙があふれてくる。
どうしてこんなにうまくいかないのか、こんなときなのに情けなくなる。
「誰でも呼べばいいわ。顔を映すこともできるのよ。そうなったらあなたが事件に関わっていることが公になる。困るのはあなたよ」
「……やめてください」
「いいからさっさと話をしなさいよ」
そのときだった。
男性カメラマンが怒号のような声をあげた。
見ると誰かがスマホで私たちを撮影していたのだ。取りあげようとするスタッフらしき男性をかわし、近づいてくるその人は――和宏だった。
「やめないわよ。ふたつの事件がつながっていることに気づいているのはまだうちの局だけなの。いいから話しなさい」
「おい、まずいぞ」
カメラマンの男性が言うが、
「うるさいわね」
と女性リポーターは取り合わない。スクープされるのはごめんだけれど、気持ちとは裏腹に涙があふれてくる。
どうしてこんなにうまくいかないのか、こんなときなのに情けなくなる。
「誰でも呼べばいいわ。顔を映すこともできるのよ。そうなったらあなたが事件に関わっていることが公になる。困るのはあなたよ」
「……やめてください」
「いいからさっさと話をしなさいよ」
そのときだった。
男性カメラマンが怒号のような声をあげた。
見ると誰かがスマホで私たちを撮影していたのだ。取りあげようとするスタッフらしき男性をかわし、近づいてくるその人は――和宏だった。