「ねえ、芽衣」
「ん?」
隣を見ると、結菜はしばらく黙ってから口を開いた。
「ヘンなこと聞いてもいい?」
「いいよ」
「なにか悩んでいるんでしょう?」
ハッと顔をあげると、結菜は悲しく笑みを浮かべていた。
「もしもね……和宏くんのこと、好きになったならちゃんと言って」
ズンと鉛のような重さをお腹に感じてしまい、反応が遅れてしまった。
「……なにそれ」
なんとか半笑いで答えた私に結菜は首を横に振った。
「今朝、和宏くんにメールしたの。そしたら、ゆうべ芽衣と一緒に稲垣さんの彼氏の家に行ったって返事きたから……」
「違うんだよ。あれは沙希の――」
「いいの!」
私の言葉をさえぎり結菜は少し声を大きくして言った。そうしてから恥ずるように瞳を伏せた。
「私の勘違いならいいの。でも、万が一そういうことがあったなら、ちゃんと言ってほしいの……」
言葉尻は気弱なトーン。今度こそ「違うよ」とすぐに否定をした。
「私は沙希の事件を解決したい。それだけだよ。こんなときに恋愛のことなんて考えられない」
「……うん」
なぜだろう、必死になる自分を遠くで眺めているような感覚になっていた。まるで自分に言い聞かせているみたい。
「それに和宏のことが好きなのは結菜のほうでしょう」
「え……違うよ」
「ん?」
隣を見ると、結菜はしばらく黙ってから口を開いた。
「ヘンなこと聞いてもいい?」
「いいよ」
「なにか悩んでいるんでしょう?」
ハッと顔をあげると、結菜は悲しく笑みを浮かべていた。
「もしもね……和宏くんのこと、好きになったならちゃんと言って」
ズンと鉛のような重さをお腹に感じてしまい、反応が遅れてしまった。
「……なにそれ」
なんとか半笑いで答えた私に結菜は首を横に振った。
「今朝、和宏くんにメールしたの。そしたら、ゆうべ芽衣と一緒に稲垣さんの彼氏の家に行ったって返事きたから……」
「違うんだよ。あれは沙希の――」
「いいの!」
私の言葉をさえぎり結菜は少し声を大きくして言った。そうしてから恥ずるように瞳を伏せた。
「私の勘違いならいいの。でも、万が一そういうことがあったなら、ちゃんと言ってほしいの……」
言葉尻は気弱なトーン。今度こそ「違うよ」とすぐに否定をした。
「私は沙希の事件を解決したい。それだけだよ。こんなときに恋愛のことなんて考えられない」
「……うん」
なぜだろう、必死になる自分を遠くで眺めているような感覚になっていた。まるで自分に言い聞かせているみたい。
「それに和宏のことが好きなのは結菜のほうでしょう」
「え……違うよ」