そっとテレビを消して家を出た。門の前にやはり和宏はいた。
紺色のパーカーにジーンズ姿で、制服じゃない和宏が新鮮に映った。
うれしい、と感じそうになる自分を抑える。
「なんでうちの家を知ってるの?」
「あ、いや……っていうか、こないだ送ったじゃん」
「あ、そうか……。それより裏BBS見たよ」
家の近くではまずい、と歩き出す私の隣に和宏はすいと並んだ。
「まずいよな。次に予告されていた井口大輔って誰か知ってる?」
「大輔さんは、沙希の彼氏だよ」
そう言うと和宏は「マジか」とつぶやいてから、私の手にあるスマホを指さした。
「そいつの連絡先わかるか? すぐに教えないと危険だ」
「ごめん、わからない。何回か会ったことがあるくらいで……」
そこで思い出した。
「あ、でも……。一回だけ宿題を大輔さんのマンションまで届けたことがあった。駅の近くだったはず」
大輔の部屋に入り浸っていた沙希に言われ、スマホの地図を頼りにたどり着いた記憶がある。
記憶力に自信はないけれど、たぶんあの辺という見当はつく。
「とりあえずそこまで行こう」
紺色のパーカーにジーンズ姿で、制服じゃない和宏が新鮮に映った。
うれしい、と感じそうになる自分を抑える。
「なんでうちの家を知ってるの?」
「あ、いや……っていうか、こないだ送ったじゃん」
「あ、そうか……。それより裏BBS見たよ」
家の近くではまずい、と歩き出す私の隣に和宏はすいと並んだ。
「まずいよな。次に予告されていた井口大輔って誰か知ってる?」
「大輔さんは、沙希の彼氏だよ」
そう言うと和宏は「マジか」とつぶやいてから、私の手にあるスマホを指さした。
「そいつの連絡先わかるか? すぐに教えないと危険だ」
「ごめん、わからない。何回か会ったことがあるくらいで……」
そこで思い出した。
「あ、でも……。一回だけ宿題を大輔さんのマンションまで届けたことがあった。駅の近くだったはず」
大輔の部屋に入り浸っていた沙希に言われ、スマホの地図を頼りにたどり着いた記憶がある。
記憶力に自信はないけれど、たぶんあの辺という見当はつく。
「とりあえずそこまで行こう」



