ログインØ

部屋に戻ると同時にスマホが着信を知らせて震え出した。
見ると画面には〈和宏〉の名前が表示されている。
喜びを感じて心がまたザワザワと波を立てている。私はひょっとしたら和宏のことが好きなのだろうか……。

違う、とまた自分に言い聞かせる。

もう何度繰りかえしたかわからないほどの自問自答。
毎回答えが出ないまま、いや、出してはいけないと自分に言い聞かせている。

一度切れた電話がすぐに鳴り出したので、大きく息を吐いてから出る。

「もしもし?」

「芽衣。夜遅くに悪いけどENDAの裏BBS見てほしい」

「え?」

「今確認したら更新されていたんだ。ちょっとやばいことになってる」

「やばいことってどんなことなの?」

「とりあえず確認して。で、終わったら外に来てほしい」

「外って?」

聞き返したときにはもう電話は切れてしまっていた。
すぐにアプリを起動させると、いつもの手順を踏んで裏BBSにたどりつく。
真っ赤な画面に黒い枠が浮かび、執行人の書きこみが表示された。
それを見た私はその場に座りこんでいた。