十一月になった今日。
登校中は、まぶしい朝日のなか驚くほど冷たい風が吹いていた。
ねずみ色の冬服にも抵抗がなくなって、「寒いね」とみんなで言い合うことが増えた。
沙希がいなくなってから、もう一カ月が経つなんて信じられない。
元々クラスに居ついてなかったから、なんだか今朝も現れるような気がしてしまう。
でも、今日は違った。
窓側のいちばんうしろにあった沙希の机が撤去されていたのだ。
いつかはそうなるって思っていたけれど、現実にその光景を目にするとやっぱり悲しい。少しシュンとなる気持ちを奮い立たせる。ここで私が辛い顔をしてはみんなを心配させてしまうから。
平気な顔をして朝の挨拶を交わしながら席につく。
「おはよ」
結菜が小声で声をかけてくれたので、
「おはよう」
笑顔を顔に貼りつける。やや硬い表情を自覚し、カバンをあさるフリをした。
これでいい。いつも通りの私を演じなきゃ。
登校中は、まぶしい朝日のなか驚くほど冷たい風が吹いていた。
ねずみ色の冬服にも抵抗がなくなって、「寒いね」とみんなで言い合うことが増えた。
沙希がいなくなってから、もう一カ月が経つなんて信じられない。
元々クラスに居ついてなかったから、なんだか今朝も現れるような気がしてしまう。
でも、今日は違った。
窓側のいちばんうしろにあった沙希の机が撤去されていたのだ。
いつかはそうなるって思っていたけれど、現実にその光景を目にするとやっぱり悲しい。少しシュンとなる気持ちを奮い立たせる。ここで私が辛い顔をしてはみんなを心配させてしまうから。
平気な顔をして朝の挨拶を交わしながら席につく。
「おはよ」
結菜が小声で声をかけてくれたので、
「おはよう」
笑顔を顔に貼りつける。やや硬い表情を自覚し、カバンをあさるフリをした。
これでいい。いつも通りの私を演じなきゃ。



