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誰よりも仲がよかった私だからこそ犯人を見つけたかった。
だけど、和宏は首を縦には振ってくれない。

「たしかに結菜さんやくぼっさんを巻きこむことはできない。ふたりには危険のない範囲で協力を願おう。だけど、さっきも言ったように俺は稲垣が好きだし、このとおり体力もある。精鋭部隊になっても別に構わないだろ?」

「そう言われると……」

「今後はなにかあったらふたりで行動しよう。そのほうがアイデアも二倍になるし、危険も二分の一になる。二人寄れば文殊の知恵、だっけ?」

眉をひそめて中をにらむ和宏にもう笑ってしまう。

「三人寄れば文殊の知恵でしょ。でも……ありがと」

冷たい風が吹いているのに、さっき跳ねた胸の当たりに温度を感じた。
家の前まで送ってくれた和宏と別れるとき、なぜか今度は苦しくなった。

浮かぶのは結菜の悲しんでいる顔。

まるで裏切ったような感覚を覚えてしまう。
違う、いつもは冷たい和宏がやさしかったから戸惑っているだけ。
何度言い聞かせても、和宏のまっすぐで悲しい瞳が忘れられない。

「じゃあ、またね」

これらの感情は勘違いということにして、私は笑顔で和宏に手を振った。