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「たしかに話をしていないこともある。だが……な、広い意味で言えば有川も容疑者のひとりなんだよ」

「私が? え……なんで?」

「親友だから殺さない理由はないだろ? むしろ、怨恨ってやつは親しい人の間で起きることが多い。犯人の可能性が1%でもある人に情報を与えるわけにはいかないだろ?」

困った顔して見てくる鈴木刑事に、ようやく自分の状況が理解できた。
たしかに言われてみれば私が犯人である可能性もあるわけか……。
不思議と納得した私は、スカートのポケットからスマホを取り出してバックライトをつけた。

「わかったよ。それじゃあ私も話す。あのね、見てほしいアプリがあるんだ」

「アプリ?」

椅子ごと隣に並んだ鈴木刑事に見えるようにENDAのアプリを起動させる。

「これは猿田市民のためのアプリで非公式のものらしいんだけど、この画面のところ、読んでみて」

トップ画面にある説明を声に出して読む鈴木刑事が、

「へえ、こんなサイトがあるんだな」

と感心している。

「サイトじゃなくてアプリです」