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「ちゃんと話してくれなきゃ、私はなにも教えないから」

「……お前なあ」

鋭い目に戻る鈴木刑事に、私は椅子をずらして立ちあがった。

「じゃ、交渉決裂ってことで」

「ええっ。それは話が違うだろ」

あわてて立ちあがる鋭い目をじっと見返した。
沙希のためなら怖くないよ。机越しに私から顔を近づけた。

「だって鈴木さんがウソついてるのがわかるもん。ウソをつくときの自分のクセに気づいてないの? 鼻の頭をポリポリかいているよ」

「マジか!」

目を見開いた鈴木刑事は、慌てて口を閉じると顔を赤らめた。

「沙希は私の大事な友達なの。私、どうしても犯人が許せない。だから犯人を見つけたいの。お願いだからちゃんと話をしてください」

必死にお願いをしながら涙目になっていくのがわかる。
鈴木刑事はしばらく黙っていたが、やがて重いため息を落とすと力なく椅子に座った。