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1,投稿者:執行者

どれだけこの日を待ち続けてきたのだろう。
ついにアプリが立ちあがった。
アプリのなかに隠し扉をつけたことを、誰が最初に気づくだろうか。
いつかは閉鎖されるであろうこの裏BBSを使い、私はできるかぎりの使命を果たすつもりだ。

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2, 投稿者:執行者

この世には悪がはびこっている。
同じ人間なのに人によっては悲しいかな、平気で他人を傷つける輩もいる。
だけど本当の悪は、もっと奥深くに潜んでいるのだ。
それは傷つけられている人を、見て見ぬフリをしてやり過ごすヤツのこと。
すべてを〈他人事〉にして、火の粉がふりかからないようにしている。
それが本当の悪だろう。

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3, 投稿者:執行者

私は、断じて〈悪〉を許さない。
他者を傷つけたヤツ。
見てみぬフリをしたヤツ。
全部まとめて罰することに決めた。
社会的に正しいかなんて関係ない。
これから、順番に〈正義〉という名の〈復讐〉を実行するつもりだ。

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4, 投稿者:執行者

あれから数日たった。
今日にも、第一処刑対象者にこの〈裏BBS〉の存在を教える予定。
用意はできている。
私には守るものなどひとつも残っていない。
ヤツらを処刑することだけが、今の生きがいなのだから。

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5, 投稿者:執行者

【被告】稲垣沙希

【判決】死刑

【執行】数日中

【罪状】被告人は冷血で、自分の生活を守るためであれば他人を平気で切り捨てる。
この先さらなる被害者を出さないためにも、死刑判決が妥当。

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【第三章】「ロード」






【sideA 香織の日記】



10月27日(木)

学校の帰り道、誰かにあとをつけられていた。

はじめは気づかなかった。

うしろに男の人がいるなーって思っていただけ。

つけられてる、って気づいたのは、途中でコンビニに寄ったとき。

お店のなかに入ったら、うしろにいた男の人もあとから入ってきたの。

飲み物を買って外に出たら、またしばらくして出てくる。

振り向いたら、その人はうしろを向いてしまった。

帽子を深くかぶっていた。

私が歩き出すと、その人も歩き出した。

立ち止まると、その人も足を止める。

急に足がふるえだした。

あの人がストーカー?

そう思うと、もう振り返る勇気もなかった。

足音が近づいてくるがして、なんとか早足で歩いた。

家が見えてくる。

すぐそばにいるように思え、風が冷たくて寒いのに背中を汗が伝っていた。


あと20メートル。

あと15メートル。
もう少し、というところで、家の前にお兄ちゃんがいるのに気づいた。

ちょうど帰ってきたところみたい。

肩の力がぬけると同時にちょっと振り返ってみた。

そこには誰もいなかった。

でも、絶対に気のせいなんかじゃない。

たしかに誰かがあとをつけてきていたはずなのに……。