「じゃあこの写真、先輩が撮ったんですか?」


「入部する前の写真か、そういやわざわざ持って来いって言われて貼られたんだっけ。懐かしいな。そうだよ。綺麗だろ?」


「はい、とっても綺麗で見とれてました」
そう言って千穂は少し微笑んだ。


「そう言って貰えて嬉しいよ」

「高柳先輩は、他にはどんな写真撮ってるんですか?先輩の写真、見たいです!」


「俺は撮りたいと思った物は何でも撮るよ。カメラの中にあるデータ、見るか?」


先輩はそう言って首から下げているカメラを見せる為に、千穂にまた接近してきた。


千穂はカメラの中のデータを見せてもらうことにした。


「凄い…」


そんなことを呟きながら千穂は夢中になって見ていた。


千穂が空以外の写真に興味を示すのは、かなり珍しい事だったが、千穂にとっては、あんなに綺麗な空の写真を撮った人が他にはどんな写真を撮るのだろうかと気になったのだ。