千穂は気付けば空が好きな昔のまま、姉と同じ高校に入学。

そんな私は、お姉ちゃんがいる写真部を求めてこの学校に来た……はずなのに。


「この学校の写真部は、ほぼいないに等しいくらいの部員の少なさで、廃部寸前(はいぶすんぜん)の部活なんだ」


「は、廃部!?」


千穂は、入学式後にわざわざ職員室まで来て、顧問の先生から写真部は廃部寸前だと聞かされ、少し心が傷んだ。


姉から聞いていた楽しそうな話からは廃部など、千穂には想像がつかなかったのだ。


「北島(きたじま)さん、だっけ?それでも写真部に入部したいのかい?ほかの部活もあるけど、そっちには興味(きょうみ)無いのかい?廃部寸前の写真部にこだわる必要は無いと思うけど」


千穂には、ほかの部活のことは眼中に無かった。


「いえ、写真部には姉がいるので。お願いします!私が廃部なんかにさせませんから」


「ははっ、すごい自信だね。通りで苗字が一緒な訳か。澄佳さんの妹さんがそこまで言うなら仕方ないか。それじゃあこれ、入部届けだから書いてきてね。きっと話し相手が出来て喜ぶと思うよ」


喜ぶ…?他の部員の子かな。そう思いながら千穂は部室の鍵(かぎ)を受け取った。