「ちぃちゃん大丈夫かな」


千穂がいない間でも、澄佳はずっと千穂のことを考えていて、自立してないのは本当は澄佳の方なのかもしれない。


お互いにとって必要不可欠の存在で、必ずどちらかが出来なくても片方ができていることが多いので、手助けしながら2人は自分に足りない所を補ってきた。


澄佳は、千穂がいないと心配で心配で、心が折れそうになる事がよくあった。


その上、夜寝れずに不安定な精神状態になる事もよくあり、学校で抑えているのが大変らしく、病院でもらった安定剤を飲むようになって、やっと落ち着くようになった。


「はぁ…はぁ…ごめんね。お待たせ、渡してきたよ!」


千穂は、少しでも姉を待たせないように急いで渡してきた。


「1人で大丈夫だったんだ。よかった。でも走って来ることないのに」


「お姉ちゃん、やっぱり心配してたんだ?大丈夫って言っても、お姉ちゃん絶対心配すると思ったから。つい走ってきちゃった」


「だって心配になるんだもん。でも無事ならよかった」


今の時間帯で、まだ学校には多くの生徒がいるのに、そこまで心配になる澄佳のことが千穂は少し気になっていた。


「お姉ちゃん、早く帰ろっか。遅くなる前に」