「ちぃちゃんはクラスで新しいお友達出来た?」


「まだ出来てないよ、写真部の事で頭いっぱいだったから。話しかけられても、どう応えたのか何話してたのか、あんまり覚えてない」


「えっ、そんなに写真部の事考えてくれてたの?」


澄佳は驚いた。


「当たり前だよ!お姉ちゃんのいる所に行くために、この学校に来たんだよ?」


「そ、そうだよね。何も私に執着しなくても、そろそろ私から自立しよう?」


澄佳は逆に、千穂の将来が心配になった。


「うーん、そのうち?今はお姉ちゃんのこと心配だし、特に他にしたいことも無いし案外、お姉ちゃんと一緒にいる方が私の為でもあるっていう感じ?」


それを聞いて澄佳は、無理に自律させようとは思わなくなった。好きな事から離れさせるようで、嫌な思いをしてまで自立させる方が、可哀相だと思った。


「でも、学校で新しい友達居ないと、私が卒業したあと困るんじゃない?今のうちに気軽に話せる子が居ないと……」


「そうだよね。そうだ!どっちにしろ、写真部に勧誘しなきゃだもんね?いろんな子に声掛けてみようかな」


千穂が誰かと話してみようと関心を持ってくれたことが、澄佳には嬉しかった。


澄佳はそんな千穂を見守る事にした。