俺の前にいた二人が少しだけ前のめりになり、隣にいた奴も俺に視線を向けた。



「どう、って？」

「何であんな可愛い奴断ったんだよ!?」

「……別に、恋愛感情がなかった。だから断った」



そう言うと三人は椅子の背もたれに体重を預けた。



「孤高の王子はいいですねぇ。あんな可愛い子を振っても他にいて選び放題で」

「俺等の学校には吉川に告白されたい奴が何人いることか……」




まるで俺を馬鹿にするような三人の反応。

俺はコップの水を一口飲んでから静かになった三人にこう言った。



「別に迷惑だし。だって関わりも何もねえんだもん。それに吉川さんって別に対して可愛くもなくね？　童顔っていう感じだし――「おい!!」



言ってるうちに歯止めが利かなくなってしまった。

いきなり俺の目の前に座っていた一人が大きな声を出した。

俺の前に座っていた二人が急にまるで幽霊でも見たかのように顔が青ざめていく。



「……よし、かわ……」