「あ、」


その声にハッとすると、日向君は窓から少しだけ体を前に出していた。



「危ないよ、日向君・・・!」

「大丈夫大丈夫!ほら!」




体を元に戻した彼の手にはヘリウム入りのピンクの風船。誰かが手を離して、ここまで飛んできたのかな。



「あげる!」

「え・・・」

「さっき欲しいって言ってただろ?」