そして迎えた卒業式当日。天気は快晴。雲ひとつ無い空はまるで、私達の門出を照らしてくれているようだった。
このダサいセーラー服を着るのも、ボロボロになったスクバを持つのも、皺がついたローファーも、全部全部最後の日。
教室に入れば、皆からのメッセージがズラリと書かれていた。
「なんか今日卒業式って感じしないね」
先生が来るまでクラスはいつもと変わらず賑やかで。卒業なんてきっと何かの間違いなんじゃないか。そう思ってしまう。
それは式が始まっても同じで、個名されても、卒業証書を受け取っても、送辞の言葉を聞いても、何をしてもこれは何かの間違いなんじゃないかって。
思わずにはいられなかった。