本当――――日向君と同じクラスで授業受けることになるなんて、知らないよ。



しかも友達の話ではD組と体育の授業まで同じらしい。


なんてありがた迷惑な話なんだ。唯一の救いは、体育の時間が2年生の頃に比べて減ったこと。それに男女別々だから、そう視界に入ることはないだろう。・・・私が探さない限り。




「ほらー席に着け窓側から出席番号順だ」



出席簿を片手に入ってきたのは、神谷先生だ。

自由席ではなかったため、私は一番前の席に移動する。ここでも一番前で、少しだけ肩を落とした。



「日向に大森かー。うるせぇのがいるなーこの教室には」

「せんせーい、それは偏見です。僕達はいつだって真面目で「そういうところがうるさいんだ」



あはははーっ、と教室に笑いが沸き起こる。



「お前らは前にこい!いいな」

「ええ!なんでですか先生!」

「問答無用!早くしろー」



ちぇっ、と文句を言いながら荷物を持って前に座る日向君と大森君。私の席から3つ離れた、教卓の真正面に日向君は腰を下ろした。



3つも離れているなら、視界に入ることもなさそう。