・・・ということで。


「う~・・・寒い」


白い息とともに、小さく吐き出した言葉。


ゆっくりと自転車を漕ぎ、西日を背に青信号を渡る。段差で自転車ごとガタンッと揺れてしまわないように気をつけるが、難しい。


ケーキ・・・崩れてないといいんだけど。


そんな一抹の不安を抱えながら、学校への長い道のりを急ぐ。


16時30分頃だというのに、冬の夜はあっという間にやってくるため、あたりは段々と暗くなり始めていた。


葉月君が言うには、試合前の部活はそんなに長くなく17時30分ぐらいには終わると言っていた。




『大地には理由つけて帰ろうとしたら残しておくから』




と、どこまでも協力的な葉月君には本当に頭があがらない。