「翔也頑張れーっ!!」



隣で大きな声をあげる莉奈。


まるでその声が届いたのかのように、平松君は相手からボールを奪い、そのままボールを高く蹴り上げた。



「、っ」



そのボールは日向君へと渡る。



「ほら、美空も声だして応援!」



そう莉奈は簡単に言う。自分でも分かっているが、声が喉の途中でつっかえてでてこないのだ。


頑張れ、頑張れ、頑張れ、と心の中で日向君に伝えることしか出来ない。それがとてももどかしい。