うわ、ヤバイ! と、瞬時に彼から視線を外し、その先にあった単語帳に手を伸ばす。 焦点が合うまで時間はかかったものの、彼にしてみれば私がずっと自分のことを見てたと思われるわけで。 あーもう! 見るつもりなかったのに。 なんて思いながらパラパラと手に持った単語帳を捲(メク)る。 見たって単語が頭に入ってこないことは分かってるのに。 「美空、英単語やってるの?」 「え、うわ! 莉奈」