まだ高校2年生。
受験も卒業もまだまだ先のこと。
これから先、修学旅行や球技大会だってまだ残ってる。
今年終わってしまった行事はまだ来年、1回経験できるんだから、今悩んだってしょうがない。
「あれ?」
そう莉奈に言い聞かせるようにして、実は自分に言い聞かせていたのかもしれない。
「どうした、美空」
「ポケットに入れといたはずの、借り物競走の時の紙がないの」
反対側のポケットに手を入れてみても、それは見当たらなくて。
「ま、いっか」
紙切れ一枚が、すれ違いを生じていたなんて知る由もない。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…