「相川さんの借り物競争の時さ、紙に何て書いてあったの?」 予想外の質問に思わず足が止まりそうになる。驚きを表情に出さないように、視線を前に戻した。 「あー・・・同じクラスの男子、って書いてあったの」 「だから葉月連れてったんだ」 日向君がこちらを向くのが分かる。だけど気づかないフリ。 「うん、そうなの」 噛まずに言えた事に内心、ホッとため息をつく。 平常心平常心。 ここで好きな人だったなんてバレたら日向君に誤解されちゃう。