「俺はなー100メートル徒競走に、クラス対抗リレー、そして障害物競争だ!」

得意気に答える葉月君にどこからか「よ、運動会の花形!」と声が飛んできた。

「うわー欲張り」

「しょーがねえだろ。やりたい奴いねえんだから」

「あんたって昔から運動だけはできたのよねー」

「なんだとー!?」


まーた始まった。

少し笑いながらため息を小さくついて自分の席に座る。

でも本当は少し羨ましい気持ちもある。だってなんでも言い合える幼馴染みの男の子って、結構女の子の憧れじゃない?

私にはそんなに何でも言い合える男の子の友達がいるわけじゃないから、なんだかんだいいなー、と思ってしまう。