右隣に立つ莉奈はその隣に立つ平松君とのお喋りに夢中のようだ。

気がつけば私達三人は二人の世界に入れなくなっていた。



「来年はもう花火見れねーのかな」

「どうして?」

「だって俺達受験生だぜ?」

「葉月は馬鹿だから勉強しなきゃだもんな」

「あ゛?てめーに言われたくねぇよ大地」



花火に負けないくらいの声で騒ぎ出すお調子者の二人。そんなの耳に届いてない莉奈と平松君たち。


そっか・・・来年私達は受験生なんだ。夏休みは教室という籠に閉じ込められてずっと勉強してるんだ。


最初で最後か・・・。5人で花火が見られるのも――――日向君と一緒に花火が見られるのも。




「来年も一緒に見たいな・・・」