中学校に上がってからは小学校の違った人と適当な距離を保ちつつ良好な関係を築こうと考え、入学前から胸を躍らせていたが、それは不運へのスターターピストルのようなものだった。

人の性格や思想を変えるのは易くないとなにかに聞いたが、否定はできなかった。それなりの意志があれば変わることもできると考えていたが、そうでもないと思えた。

変に思考を働かせたあまりわたしの執拗の度合いが増したか、言動が真っ直ぐな人が多かったか、中学校では露骨に嫌われるようになった。うざいだのしつこいだのという言葉で済んでいたものが、やがてわたしの存在の消失を望むものに変わった。

それらの言葉は、聞く他見ることにもなった。SNS上に数多く刻まれたためだ。その頃から体のあちこちが不調を訴え始めた。

中学校生活がいやに長く感じられた。好きでもない勉学に熱中したせいもあるかもしれない。勉学に勤しんだのは高校入試のためだった。知っている人など一人もいないような学校に行きたかった。そこで一切の人と深い関係を築かなければ平穏な高校生活が送れると考えた。