「うわー、暑い」
空港を出てた途端に空気が違うのを感じる。濃く、熱い南国の空気。
「本当だ、同じ夏なのになんか違うね」
そう横で語るかのん君はUVカットパーカーに鼻まで隠れそうなサングラスをかけている。
「大丈夫? 熱くない?」
「うん、これ冷感素材だし。それより日焼けは厳禁って事務所にもやっぱりいわれちゃってさ」
「そっかー」
無理をさせちゃったかな。私は沖縄好きだし、単純に喜んでたんだけど。
「キチンと対策してれば大丈夫だよ、さてとにもかくにもお腹空いた」
「空港でなんか食べる? 沖縄料理の店もあるよ」
「ううん、お昼は予約してあるから。早く移動しよう」
私達はレンタカーに乗り込み、かのん君がナビを設定している。ぐんぐん遠くなっていく那覇市内。
「あらー、沖縄そばが……」
「それは明日でもいいじゃない、ちょっと行きたいところがあってさ」
そうして着いたのはドライブイン。そう、まるでアメリカ映画に出てきそうなレトロなドライブインだった。
「すごーい」
「真希ちゃんハリウッド映画とか好きじゃん。こういうのもいいかなって」
「うんうん、雰囲気ある!」
そこで私はハンバーグを、かのん君はフライドチキンを食べた。味は普通っていえばそうなんだけど、なにしろ雰囲気がある。
「このソース、東京じゃみないね」
「うんご当地ものなのかな」
あちこち、キョロキョロと見て回る。現役で動くのかは謎なジュークボックスにバイク。
「はぁ、おもしろかった」
「よかった。じゃあお腹がふくれたところでもう一軒寄るよ」
「えー、どこどこ?」
「ふふ、それは着いてのお楽しみ」
海からの風だろうか、青い空に風が心地よい。
「あ、運転代われば良かった。かのん君大丈夫?」
「まだ平気だよ。真希ちゃん運転得意なの?」
「うん。沖縄の人運転荒いけど多分大丈夫」
「そうなんだ……」
そうして着いたのは、これはまた目立つお店だった。まず、目に入るのは緑のハートにコーラルピンクの壁、そしてコーラルブルーの入り口。
「このカフェ、行って見たくて」
「めちゃくちゃカワイイじゃない」
「でしょでしょー」
私は美味しい郷土料理屋ばかり探してたんだけど、こういうお店もあるんだね。かのん君らしいチョイスだ。
「フレッシュジュースとスムージーが美味しいらしいよ、行こう」
「うん」
内装は、外観以上にSNS映えしそうな感じであちこちのディスプレーを見ているだけでも楽しい。
「俺はピタヤとマンゴーのスムージー。真希ちゃんは?」
「うーん、ジンジャーエール」
出てきた飲み物もカラフルでとってもかわいい。飲み物を受け取った私達は海を眺めながらそれを頂いた。
「真希ちゃん! 写真とって」
「はいはい」
こういう所に来ると、かのん君の撮影魂は止まらなくなる。ハート柄の緑のラグの上でポーズをとるかのん君を撮り続ける私。
「かわいく撮れた?」
「撮れた撮れた。ぜーんぶかわいい」
やがて、海はほんのりと落ち着いた色合いに変わる。贅沢だなぁ、こんな南の島でぼんやりできるなんて。
「あ、チェックイン何時だっけ」
「三時って行ってたけどもう過ぎてるや」
「大変、早くいかないと」
そう言って私が立とうとすると、するりとかのん君の腕が私を抱え込んだ。
「うん、だけどもうちょっとだけ……こうしていない?」
「仕方ないなぁ、ちょっとだけだよ」
ホテルの人ごめんなさい。でも今はこうして海を眺めてくっついているのがとても幸せなの。
空港を出てた途端に空気が違うのを感じる。濃く、熱い南国の空気。
「本当だ、同じ夏なのになんか違うね」
そう横で語るかのん君はUVカットパーカーに鼻まで隠れそうなサングラスをかけている。
「大丈夫? 熱くない?」
「うん、これ冷感素材だし。それより日焼けは厳禁って事務所にもやっぱりいわれちゃってさ」
「そっかー」
無理をさせちゃったかな。私は沖縄好きだし、単純に喜んでたんだけど。
「キチンと対策してれば大丈夫だよ、さてとにもかくにもお腹空いた」
「空港でなんか食べる? 沖縄料理の店もあるよ」
「ううん、お昼は予約してあるから。早く移動しよう」
私達はレンタカーに乗り込み、かのん君がナビを設定している。ぐんぐん遠くなっていく那覇市内。
「あらー、沖縄そばが……」
「それは明日でもいいじゃない、ちょっと行きたいところがあってさ」
そうして着いたのはドライブイン。そう、まるでアメリカ映画に出てきそうなレトロなドライブインだった。
「すごーい」
「真希ちゃんハリウッド映画とか好きじゃん。こういうのもいいかなって」
「うんうん、雰囲気ある!」
そこで私はハンバーグを、かのん君はフライドチキンを食べた。味は普通っていえばそうなんだけど、なにしろ雰囲気がある。
「このソース、東京じゃみないね」
「うんご当地ものなのかな」
あちこち、キョロキョロと見て回る。現役で動くのかは謎なジュークボックスにバイク。
「はぁ、おもしろかった」
「よかった。じゃあお腹がふくれたところでもう一軒寄るよ」
「えー、どこどこ?」
「ふふ、それは着いてのお楽しみ」
海からの風だろうか、青い空に風が心地よい。
「あ、運転代われば良かった。かのん君大丈夫?」
「まだ平気だよ。真希ちゃん運転得意なの?」
「うん。沖縄の人運転荒いけど多分大丈夫」
「そうなんだ……」
そうして着いたのは、これはまた目立つお店だった。まず、目に入るのは緑のハートにコーラルピンクの壁、そしてコーラルブルーの入り口。
「このカフェ、行って見たくて」
「めちゃくちゃカワイイじゃない」
「でしょでしょー」
私は美味しい郷土料理屋ばかり探してたんだけど、こういうお店もあるんだね。かのん君らしいチョイスだ。
「フレッシュジュースとスムージーが美味しいらしいよ、行こう」
「うん」
内装は、外観以上にSNS映えしそうな感じであちこちのディスプレーを見ているだけでも楽しい。
「俺はピタヤとマンゴーのスムージー。真希ちゃんは?」
「うーん、ジンジャーエール」
出てきた飲み物もカラフルでとってもかわいい。飲み物を受け取った私達は海を眺めながらそれを頂いた。
「真希ちゃん! 写真とって」
「はいはい」
こういう所に来ると、かのん君の撮影魂は止まらなくなる。ハート柄の緑のラグの上でポーズをとるかのん君を撮り続ける私。
「かわいく撮れた?」
「撮れた撮れた。ぜーんぶかわいい」
やがて、海はほんのりと落ち着いた色合いに変わる。贅沢だなぁ、こんな南の島でぼんやりできるなんて。
「あ、チェックイン何時だっけ」
「三時って行ってたけどもう過ぎてるや」
「大変、早くいかないと」
そう言って私が立とうとすると、するりとかのん君の腕が私を抱え込んだ。
「うん、だけどもうちょっとだけ……こうしていない?」
「仕方ないなぁ、ちょっとだけだよ」
ホテルの人ごめんなさい。でも今はこうして海を眺めてくっついているのがとても幸せなの。