二階のフロアに上がると、沢山の水槽が私達を出迎えた。ほう、やっといかにも水族館って感じ。
「ほらクマノミがいるよ」
「本当だ。私、沖縄で見た事あるよ。ダイビングで」
「ダイビング? 真希ちゃんダイビングもするんだ」
「そう。これでも一応ライセンス持ってるの。忙しくてなかなか潜りには行けないけど。海が真っ青でサンゴもいっぱいで楽しかったよ」
ちょこちょことイソギンチャクの間から顔を出すクマノミ。いつか、かのん君とあの海を一緒に見てみたいな。
「真希ちゃん、登山もするって言ってたよね、結構アクティブなんだぁ」
「かのん君だって」
「俺は……なんていうか都会限定。インドア派だもん」
「じゃあどっか山か海か行かない?」
「ええ?」
ふふ、ちょっと困った顔をしている。かのん君が私に見た事ない景色を見せてくれたように、私も私が知っている素敵なものを見せてあげたい。
「それにね、登山ウェアとか今すごいカラフルでカワイイんだよ」
「へー」
「機能的で動きやすいし速乾性とかもあるから、私部屋着にしたりしてるの」
私の休日で外出の予定の無い日はもっぱら山ファッションだ。楽だし、近所ならそのまま出かけられるし。
「そっかー。今度見てみようかな」
「うん、ウェア見るだけでも楽しいから。一緒に行こう」
うんうん。そしたらきっと山にも登って見たくなるから。かのん君は私の裏の計画など知らずにうんうんと頷いている。
それから愛嬌のあるチンアナゴを眺めたりとのんびりそのエリアを抜けた。
そして広がる明るい陽光。トンネルの水槽だ。まるで海の中にいるみたい。
色々な魚やエイやサメが悠々と泳いでいる。
「ふふ、真希ちゃん首が取れちゃいそう」
「あー、全然前見てなかった」
「危ないよ、ほら」
そう言ってかのん君が私に手を伸ばす。私は自然とその手を握る。二人、手を繋ぎながら光る水のトンネルを抜けていく。
「素敵……」
「うん」
水族館は動物園と違ってちょっと薄暗い。その薄暗さが私をいつもより大胆にさせている気がした。そのまま展示を眺めていると明るいエリアに突入した。
「んふーっ、カピパラだ」
「眠そうなかおしてるね、かのん君」
いきなり雰囲気は変わってジャングルのような雰囲気。グリーンイグアナもいた。
「ほら、かのん君と同じ緑色」
「えー? ちょっと、俺の真似しないでよね」
イグアナ相手におどけてみせるかのん君。そしてその先にいたのは……アザラシに! オットセイ! そしてペンギン! 海のカワイイ生き物勢揃いだ。
「このアザラシは真希ちゃんに似てるね」
「えっ、どこが?」
「黒目がとってもキレイ」
「やーだー」
こんな時も私を褒めることを忘れないマメなかのん君。彼氏の鏡です、私は幸せです。そんな気持ちを噛みしめながら、今度は屋外に出た。
「真希ちゃん! あれ見て」
「わ、アシカが芸してる」
外ではアシカのミニショーが行われていた。わっかをくぐったりボールを運んだり、器用なものだ。
「いい時に来たね?」
「本当ね」
パンフレットに夜とイルカショーは四時からのようなので、それに合わせて動いていたのだけど、たまたまショーにかち合ったようだ。
「それじゃあ、次は真希ちゃんが楽しみにしていたイルカショーか」
「うん、前の方で見たいなー」
「じゃあちょっと早いけどもうそっちに行こう」
私達はイルカショーが行われるスタジアムに向かって少し急ぎ足で向かった。
「ほらクマノミがいるよ」
「本当だ。私、沖縄で見た事あるよ。ダイビングで」
「ダイビング? 真希ちゃんダイビングもするんだ」
「そう。これでも一応ライセンス持ってるの。忙しくてなかなか潜りには行けないけど。海が真っ青でサンゴもいっぱいで楽しかったよ」
ちょこちょことイソギンチャクの間から顔を出すクマノミ。いつか、かのん君とあの海を一緒に見てみたいな。
「真希ちゃん、登山もするって言ってたよね、結構アクティブなんだぁ」
「かのん君だって」
「俺は……なんていうか都会限定。インドア派だもん」
「じゃあどっか山か海か行かない?」
「ええ?」
ふふ、ちょっと困った顔をしている。かのん君が私に見た事ない景色を見せてくれたように、私も私が知っている素敵なものを見せてあげたい。
「それにね、登山ウェアとか今すごいカラフルでカワイイんだよ」
「へー」
「機能的で動きやすいし速乾性とかもあるから、私部屋着にしたりしてるの」
私の休日で外出の予定の無い日はもっぱら山ファッションだ。楽だし、近所ならそのまま出かけられるし。
「そっかー。今度見てみようかな」
「うん、ウェア見るだけでも楽しいから。一緒に行こう」
うんうん。そしたらきっと山にも登って見たくなるから。かのん君は私の裏の計画など知らずにうんうんと頷いている。
それから愛嬌のあるチンアナゴを眺めたりとのんびりそのエリアを抜けた。
そして広がる明るい陽光。トンネルの水槽だ。まるで海の中にいるみたい。
色々な魚やエイやサメが悠々と泳いでいる。
「ふふ、真希ちゃん首が取れちゃいそう」
「あー、全然前見てなかった」
「危ないよ、ほら」
そう言ってかのん君が私に手を伸ばす。私は自然とその手を握る。二人、手を繋ぎながら光る水のトンネルを抜けていく。
「素敵……」
「うん」
水族館は動物園と違ってちょっと薄暗い。その薄暗さが私をいつもより大胆にさせている気がした。そのまま展示を眺めていると明るいエリアに突入した。
「んふーっ、カピパラだ」
「眠そうなかおしてるね、かのん君」
いきなり雰囲気は変わってジャングルのような雰囲気。グリーンイグアナもいた。
「ほら、かのん君と同じ緑色」
「えー? ちょっと、俺の真似しないでよね」
イグアナ相手におどけてみせるかのん君。そしてその先にいたのは……アザラシに! オットセイ! そしてペンギン! 海のカワイイ生き物勢揃いだ。
「このアザラシは真希ちゃんに似てるね」
「えっ、どこが?」
「黒目がとってもキレイ」
「やーだー」
こんな時も私を褒めることを忘れないマメなかのん君。彼氏の鏡です、私は幸せです。そんな気持ちを噛みしめながら、今度は屋外に出た。
「真希ちゃん! あれ見て」
「わ、アシカが芸してる」
外ではアシカのミニショーが行われていた。わっかをくぐったりボールを運んだり、器用なものだ。
「いい時に来たね?」
「本当ね」
パンフレットに夜とイルカショーは四時からのようなので、それに合わせて動いていたのだけど、たまたまショーにかち合ったようだ。
「それじゃあ、次は真希ちゃんが楽しみにしていたイルカショーか」
「うん、前の方で見たいなー」
「じゃあちょっと早いけどもうそっちに行こう」
私達はイルカショーが行われるスタジアムに向かって少し急ぎ足で向かった。